椅子で遊んでいる場合ではないのである。
結婚式である。
招待状を見る。
『３時から』
ふむふむ。
駅から歩いて１５分。
でわ、２時半過ぎに駅につけば全く問題ありませんな。
よっしゃ。
よっしゃ。
と、電車に乗り込み。
あくびする。
電車の中。
ま～ったく、やることがありません。
友人から携帯に着信がある。
電車の中なので無視。
む～ん・・・
暇じゃ。。。
あああああ。
招待状でも読んでっかな～～
と。
『３時から式を行いますので、ぜひ御参加ください』
ふむふむ。
『なお』
なお？
『式に参列される方は３０分前までに式場に御参集ください』
式？
参列？？
３０分前？？？
はて。
招待状を振ってみたなら。
ちっちゃな。
ちっちゃな。
紙が出てきました。
『式に参加して下さい。 新郎○○』
ぐぁぁぁぁああああああああああああああああああ。
なんで。
なんで。
ちっちゃな紙？
なんで。
なんで。
大きくて。
まっ赤な文字で。
２時半に来い！
と、書いてくれれば。
あああああああ。
そういえば。
携帯の着信。
１４：２５
１４：２８
１４：３１
あああああああ。
なに？
なに？
なにを始めるの？
なにが始まるの？
どうして電話してくるわけ？
私なんぞ、放っておいて式を始めりゃいいじゃんね。
ああああああ。
また、電話が。。。
『もしもし。。。』
『お。わかってると思うけど。。。』
『はい。。。わかってます。１００％理解してます。。。』
『お前だけ。。。』
『ダッシュします。。。死ぬ気で走ります。。。』
『２分で来いよ。。。』
む～ん。。。
案内図には駅から１５分って書いてありんすが・・・
などとは、言えず。
『４０秒で行きます・・・』
努力の人である。
人間、やればできるはずである。
駅につく。
走る。
走る。
メロスである。
友人のためである。
決して、間違えたからではないのである。
美しい友情のためである。
走る。
走る。
おじさんが必死の形相で走るのである。
雨の中、おじさんが走るのである。
美しい。
さて。
そんな美しい努力がなんとか実り。
開始１５分前に到着。
無事に式も終わり。
一安心。
これで飲むだけ。
と、思いきや。
後編へ続いてしまうのであった。
ああ。
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